デジタルサイネージ

デジタルサイネージに注目が集まっている

経済の行き詰まりとテクノロジーの進化によって、企業のコミュニケーション活動に大きな変化が訪れていることが関連してそうだ。
これまでは、マスメディアがコミュニケーション、いわゆる情報伝達においてほとんど権威そのものであったが、インターネット、特にWebサービスの進化に伴ってその権威を保てなくなったきた。
それならということで、ネット上の端末であるPCやモバイルに合わせたOne to OneマーケティングやSocialマーケティングという発想も出てきたが、これまでと同じやり方でメッセージを出したところで、何しろ相手がつかめない。伝わり方が有機的になり複雑になり、投資に対する費用対効果がスケールしないのである。ここでスケールしないとは、規模の論理で投資を増やせば増やすほど効果が高くなるというものではないということを意味する。
インターネットをベースとした新しいメディアでは、人と人とのつながる機会が均等が首尾よく提供され、そこで物量をもってメディアとして一人勝ちすることはもはや許されない。もちろんコンテンツとしての一人勝ちはもちろん許されている。

これまでの企業の論理、単純な成長戦略、右肩上がりのスケールするシナリオは行き詰まり、ゲームチェンジの兆しが見えるのがデジタルサイネージ。そこに気がついた人はゲームチェンジの象徴としてデジタルサイネージをとらえてみるのが面白いと思う。
以下、取り上げる順序に深い意図はない前提で、次のような業界がデジタルサイネージの恩恵を被りたいと思っているはずである。

【通信業界】:これだけPCとモバイルが普及してしまっては人の頭数が増えない限りパイは広がらない。そうなれば人ではないモノに注力してネットにつなげることでパイを広げることができる。
広告業界】:従来メディアの広告は行き詰まり成長戦略が描けない。そこでデジタル化されることにより付加価値の高いメディアに昇華させることで広告自体の付加価値をあげることができる。
【製造業界】:ネットに接続できる端末が増えれば、従来のモノは、より付加価値の高いデバイスとして買い替え需要や新規需要の掘り出しができる。
【ソフトウェア開発、コンテンツ制作業界】:プラットフォームとしてはほぼWebベースに近い実現になると思われるので、これまでの経験がいかしたシステム開発、コンテンツ制作であらたな案件が期待できる。
【地方企業】:コンテンツの更新が容易なため、更新リスクを軽減しながら、より優れたコンテンツに展開することができる。

※ここではデジタルサイネージとは、あらゆる手段でデジタル化されたメッセージを出力できるデバイス、といった広い意味でとらえる。いわゆる看板がディスプレイになっただけのものから、家電や車やレジや標識や世の中のそこら中のディスプレイがサイネージの可能性をもっているという広い定義。

デジタルサイネージとマスメディア、パーソナルメディアの役割分担
5W1H 「何故?」、「何を?」は提供者側のビジネス戦略から定める
・マスメディアは時間を売る(「いつ?」に特化)
・モバイルは人を売る(「誰?」に特化)
デジタルサイネージは場所を売る(「どこで?」に特化)
そして「どのように?」は上記の拘束条件を前提としてアイデアをひねり出す、コミュニケーション戦略から策定する

デジタルサイネージユビキタスコンピューティングな社会における企業と消費者の新しいコミュニケーションツール。

と仮定してしばらく世の中見てみることにする。