生活の中のいろんなユーザーエクスペリエンス

ユーザーエクスペリエンス、って?

ユーザーエクスペリエンス、言葉にするとなんだか舌を噛みそうで、ちょっとピンとこない言葉ととらえている方も多いようですね。もう少し日本語で端的な言葉で表すことができるといいのですけどね。
「ユーザーエクスペリエンスとは、人が行動するときにえられる体験のことで、特にサービスの提供側とそのお客様の間で、提供側から与えることのできる価値」
をさすことが多いようです。モノ作りに例えれば、そのモノを使ってその人が体験できるコト。ほら、よくマーケティングの講座とかで「エスティローダーは口紅を売っているのではなく夢を売っているのだ」とか「大工さんはドリルが欲しくて買うのではなく、穴をあける為に買うのだ」とかいいますよね。優れたユーザーエクスペリエンスの実現とは、お客様が求めていた体験をいかに上手に提供できるかを追求することと言ってもいいでしょう。
では、そのために何をすればよいのでしょうか?きっと何も難しく考えることはなくて、どうしたらまたお客さんに来てもらえるか、ということを基本に戻ってしっかり考えていくことだと思います。例えば店舗の場合だと、毎朝ちゃんとお店の前を掃除しようとか、朝は気持ちよく挨拶しようとか、そういうお客様とのコミュニケーションの準備をしっかり整えて、最後いい気持ちで帰ってもらいまた来ていただくために必要なこと。とりたててユーザーエクスペリエンス、なんて言葉を使わなくてもいいのかもしれません。
料理の世界でも考え方は同じのようです。先日、テレビ番組に出演したフランス料理のシェフが言ってました、
「食事をしてくれるお客さんの喜んでいる顔を思い浮かべながら料理をつくれば、いい料理が作れる」
と。同じことがコンピューター利用においても言えると思います。利用している人が喜んででいる顔を思い浮かべながらつくることは、いいアプリケーションが作れる第一歩かもしれないですね。ただ、コンピューターの利用環境においてはまだまだそれができていないことも多いのが現実。なのでユーザーエクスペリエンス向上なんて言葉を使うことによって、その大切さを明示的にしながら活動していく必要があるのでしょう。

コンピューター利用におけるユーザーエクスペリエンス

さて、Wikiでユーザーエクスペリエンス見てみたら、こうありました。
「ユーザーエクスペリエンス(UXと略記されることが多い)とは、ユーザーがある製品やシステムを使ったときに得られる経験や満足など全体を指す用語である。ウェブ上での商品販売などソフトウェアやビジネスに関連して使われることが多いが、インタラクションデザイン全般に適用される概念である。例えば自動音声応答装置は貧しいユーザーエクスペリエンスをもたらすデザインとしてよく引き合いに出される。」
と記載されてました。自動音声応答装置、IVRですね。私もいまのIVRはあまり好きではありません。一方通行の案内で、後戻りが大変で、何より「相手が人だと思って話しかけちゃったじゃん、この恥ずかしい気持ちどうしてくれる!」って頭にくることもたまにありますよね。

ほんの一例ではありますが、私が今気になっていることのひとつはこのようなことです。
「もっと利用者の立場にたってデザインして、コンピューターと人間をもっといい関係にしていきたい!」
コンピューターは大変律儀な機械で、前もって決めたことはキッチリとやってくれますが、そうでないことはいっさいやってくれません。そういうコンピューターを人に使ってもらうときには、しっかりユーザーエクスペリエンスをデザインしてあげないと、とても使いにくくて、かえって作業効率がわるい、そういう状況を作ってしまいます。そしてそれを使いこなす為にトレーニングを受け、しまいには使用の認定制度まで導入される。これでは本末転倒もいいとこです。
まだまだ歴史の浅いコンピューターは、未だにキーボードとマウスとディスプレイでやりとりしないといけないですし、そのディスプレイの中で何をどう表現するか、ハードウェアもソフトウェアも改良の余地はたくさんありそうです。
私からひとつ提案があるのですが、これまでいいモノを作ってきた人たちのセンスとか知恵とかを、もっとうまく活用することができたら、もっといいコンピューターの利用環境がデザインできるのではないでしょうか。

生活の中からユーザーエクスペリエンスを考えるヒントをさがす

ここで生活の中でユーザーエクスペリエンスを考える際のヒントにしたいと思っているテーマを3つほどあげてみます。

こういうことからコンピューターのユーザーエクスペリエンスってなんだろうが見えてくるかもしれません。ほらクルマもカメラもいまはほぼ電子制御。コンピュータが動かしてますからね。次回からそれぞれについて簡単に書いてみます。
ではまた。